表象文化論特殊研究演習III
(メタ技術としてのアート:おきかえつなぐ) 教養学部教養学科、超域文化科学分科、表象文化論コース 担当教員: 高橋 悟 2019年度

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脱文脈化と再構築によるアートの可能性

このクラスは創造実践をアートを含む複数の知識や技術を連環させる活動と捉え、具体的なプロジェクトへと接近することをねらいとした全5回の集中講義です。講師は環境と知覚、思考に関わる創作を続ける現代美術家高橋悟が担当しました。授業前半は、行為の指示や再生の道具として生まれた記譜を手掛かりにスタートしました。楽譜や図面などの指示書だけではなく、道具やキッチンなども行為を誘発する装置として捉えます。それらの文脈を置き換え再構築することで、様々な作品を完結したモノとしてではなく相互に作用するプロセスとして捉え直す講義やワークショップ、議論が行われました。授業後半は、各自の構想・チェック・創作と進み、最終発表ではキャンパスの様々な場にて、身体表現、インスタレーション、指示書など多様な媒体を通じてジェンダーや社会的制度など既存の概念を問い直す視点が示されました。多様な問題を抱える予測不能な現代において、この授業での学びが学生たちの未知の出会いを探るメタ技術として活かされることが期待されます。

(掲載日:2020.6.3)