日時: 2024年4月8日(月) 15:50-17:20
場所: 東京大学駒場Iキャンパス 18号館4階コラボレーションルーム1 University of Tokyo, Komaba Campus I (Build. 18, 4F, Collaboration room 1)
講演者:エリック・ミショー Eric Michaud(パリ社会科学高等研究院)
司会:松井 裕美(東京大学)
開催方式:対面
主催: 国際共同研究強化(B)22KK0002(代表:寺田寅彦)/東京大学芸術創造連携研究機構
エリック・ミショー講演会「人間の育成と芸術モデル」
Eric Michaud, "L’élevage des humains et le modèle de l’art" 2024年4月8日(月)東京大学駒場Iキャンパス 18号館4階コラボレーションルーム1
2024年度
ダーウィンやニーチェ、ワイルドといった科学者・思想家・小説家は、人間の育成に大きな関心を抱いていた。ダーウィンにとって育成とは、家畜の「人為的」淘汰とは区別される自然淘汰説を洗練させるのに、有用な概念的道具だった。ニーチェは「超人」という概念を生み出すことで、真の育成ないしは淘汰は、何千年にもおよぶ「意識的な実験」の結果を得るために必要なものだった。オスカー・ワイルドは、人間の繁殖を向上させるための古代の視覚装置をモデルとして示しながら、芸術を手段として用いて人類を完璧な状態に導くことを求めた。
これら3人の思想家たちは、芸術が人間の育成において決定的な役割を果たすと考えていた。ダーウィンは18・19世紀のイギリスの養育者を例に挙げ、新古典主義をモデルとした。ニーチェは「実験的育成」すなわち芸術、この「人生におけるもっとも大きな刺激物」を、有機的機能と結びつけ推奨した。ワイルドは芸術家の作品が持つ模倣のエネルギーのおかげで、人間が育成されると考えた。この育成プロセスの中心にあるのは美であり、それこそが人類のかたちを変容させるもっとも力強い駆動力となってきたのである。
エリック・ミショー講演会 フライヤー
(PDFファイル1MB)
(掲載日:2024.3.8)
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